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待ちに待ったイス納品
今日は以前お願いしていたイスの納品日。Wood funituer +1さんにはるばる香川県からきてもらいました。二か月待ちましたが、お施主さんも気長に待っていただけたのでなんとも待ち遠しい瞬間でした。
小窓から景色をながめながらのんびり本を読みたくなるようなイス。こんな要望から始まりました。当初は手掛けをつけたり深めに座れるようなリラックスチェアのような形を考えいましたが、机で作業することもあるので、作業性も考えた結果、手掛けもないシンプルなイスにしながら、背もたれを長くしたり、横幅にゆとりをもたせてじっくり腰掛けることができる形にしました。
そうした時に、背もたれが通常より長いためデザイン的なバランスが悪くなってしまうので、脚の部分をフレーム状にして横に長く、さらに少し台形にする事で安定感をもたせた事がポイントです。人はイスに腰掛ける時、その身をすべてゆだねます。ゆえにイスを見た時、触った時、イスを引く時、そして腰掛けた時に肉体的にも精神的にも安心感を求めると思います。それらを踏まえて今回はイスのデザインを進めました。多分このイスは普通にお店に置いてもそこまで光輝くものではないと思います。それはこのイスがお施主さんに合わせて僕のつくった空間の中で一番輝く形を求めたので、きっと他の場所ではその魅力が半減するでしょう。でもこれがオーダーメイドの最大の魅力であり、他にはまねできないオンリーワンなものになるのです。
住宅も同じだと思います。住むという行為を満たすだけならマンションでも良いし、建売住宅でも満たせます。だけどなぜ人は建築家に住宅をお願いするのか。それは、住宅というものは生活を受け入れる器であってその生活、日常は人それぞれです。だからこそ自分たちにあった住宅を求めるのは必然だし必要な欲求だと思います。僕は住宅はそこに住む人の生き方そのものを支えると考えています。そう考えたら一つ一つのプロジェクトには必然的に魂がこもっちゃいます。なんて熱くなってしまいました。でもモノづくりをする人なら誰しもここまで深く考えていくはず。ゼロから1を生み出すことはそれだけ責任が大きいものだと思います。
たまに熱くなる僕です。そういえば32歳になりました。この一年も変わらず地道にコツコツと。これからも頑張っていこうと思います、、、。