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お引渡しで願った事
今日は兵庫県明石市で進んでいた住宅のお引渡しでした。去年の一月から始まったので1年と半年かかりました。長かったなあなんて思いながらも終わってみれば早いもの。もう片道4時間の明石への旅路は終わるのかと思うと寂しいものです。県外での仕事はあまりないので色々勉強になりました。そしてコンビニの店員さんの関西弁が新鮮で癒されたのも良い思い出です。(笑)生まれ育った地に戻ってこれから新居で家族とともに新しい暮らしを始めるお施主さん。「住まう」ということはただ寝て起きてご飯を食べて、、、ではありません。その土地で暮らすことは生きていく上で様々な経験や思い出を育み、やがて自分の子供に受け継がれていく。人と人とのつながりが繰り返されていく事は尊いものです。その時に住宅にできる事はなにか。建築家として絶対に答えを持たなければならない問いです。僕は住宅が暮らしを受け入れる器であるならば住まい手の思い、価値観を大切にして、周辺環境を考慮しながら自然に寄り添った気持ち良い場所を提供すべきだと考えています。住宅が完成した時に感じる達成感的な感動ではなく、5年、10年経ってふとした瞬間に感じる「あ、この家に暮らせてよかったなあ」というじんわりとした、静かな感動が生まれるような住宅をつくり続けたいと思っています。親子仲良く新しいキッチンに立つ姿を見て、そう願いを込めながら明石をあとにしました、、、。