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平和と建築
八月は広島に住む人なら平和について考える月です。広島、長崎に落ちた原爆。そして敗戦した15日。暑い八月の晴れた日、突如赤と黒で染まったことは広島に住む人ならだれもが知っている事実です。 写真は先日台湾に行った時に日本の旧軍事施設跡地に訪れた時、防空壕の中に飾られていた一枚です。高校生ぐらいの年頃の若者が犬を抱え笑顔で映っています。彼らはいわゆる神風特攻隊という部隊に配属され、日本を離れこれから命を懸けて突撃するという状況だそうです。親や家族に最後の別れを告げ、見ず知らずの土地に来てこれから命を投げ出して戦おうという中で、小さな犬を前にして楽しそうにしています。現代を生きる僕からしたらこれがどんな心境だろうか。自分の子供がこんな状況だったらどうだろうかと考えてしまいます。お国のためにという思いのもとに家族に永遠の別れを告げるなんて17才にはとてもつらい現実だと思います。日本を離れた所で思わず知った現実が今でも心に強く残っています。やっぱりどんな事があろうと平和が大切だと改めて感じる一時でした。 また建築に携わる立場からして平和と建築をどう考えるかも大切だと思いました。建築は未来をつくる行為です。とすれば建築をする事、できる事自体が平和を生むことにつながるのではと思います。自分のつくる建築、考えが広くは平和というものにつながるように意識できればと思います。こんなことを考えていると建築は全てにつながるように思えてきます。そうした時に自分はどういう姿勢で建築に取り組むべきか、今一度考えされられます。そして最後は平和につながっていければなあと思う今日この頃です。