- トップページ >
- 事務所コラム
負ける事で見える事
先日建築のコンクールに応募していた作品が落選しました。一次審査を通過し、二次審査でも手ごたえはあったのですが敗れてしまいました。
くやしい!
心の底からこの感情が沸き上がってきました。敗れはしたものの、作品に自信があっただけにくやしくてたまりません。だけど同時にある種の達成感のようなものもあったのです。それは一次審査を通過し、広島の第一線で活躍する他の建築家と同じ土俵で闘えた事。実はこれ僕にとって大きな意味がありました。自動車会社に勤めながら独学で建築を学び、実務的な事以外はいつも独りで建築とは何だろうと考えてきた僕にとって自分の考えが正しいのかどうかなんて不安は常に片隅にありました。そんな自分の建築論が敗れはしたものの審査員の目に留まり、活躍する他の建築家と同じ土俵で比べられる。それは建築家としての自分を認められたような気がしたからです。だからこそくやしいという感情は欲張りですが沸いてきたのです。
だけどコンクールに応募し、誰かと闘うことでより自分の建築論を意識し、比べられる事で自分に足りないものに気付けたりもしました。第三者の視点から自分の建築を振り返る事ができたのは大きな収穫です。負ける事で自分のつくるべき建築の姿が見えた気がします。負けてみて初めて「負ける事の大切さ」を学べる事ができました。これに気付かせるために神様は落選させたのかなあ、なんて都合よく考える甘い自分がいます(笑)。くやしいという感情とともに得るものもあった今回の闘い。長々とこんなこと言ってますが、次回は必ず勝ちます。僕は負け続ける事は嫌いなので(笑)。これからT.N.Aは次の階段に昇っていきたいと思います、、、。